クソゲーのこと

World of Warshipsについていろいろ書きます

プッシュしきるかチャネルするか論争

はじめに

WoWSには立ち回りの定石があるにはあるがどこにも書いてない.少なくとも筆者はYouTube等でWoWSのコンテンツを漁った中で見たことはない.このゲームはマクロの重要度がミクロに比べて遥かに高いにも関わらずだ.

分艦隊で新しく知り合った人とゲームをプレイする際,自分たちのいるサイドを制圧した後プッシュしきるか別サイドにチャネルするかの選択が異なることがある.こういったシチュエーションはこのゲームにおいて非常に多い.その度にどうしようか悩む.

勿論どちらかがいつでも正しい訳ではなくどちらかがいつでも間違いな訳では無い.結局はマップや敵配置によって選択を変えなければいけない.しかしながら「制圧したら必ずプッシュ!どんな状況でもプッシュ!」というプレイヤーが一定数いるので,プッシュしてはいけない(相対的にプッシュが弱い)状況を説明したいと思う.

なお本記事はある程度このゲームの理解度が高く立ち回りの重要性を理解しているプレイヤー向けなので,そこまで考えられない人は読んでもあまり身にならないだろう.

プッシュしづらいマップ

敵配置にもよるがマップの構造的にプッシュしきるのが難しいマップを挙げていく.その上で無理してプッシュしようとするとどう不利になるかを説明する.

北方海域

図1

シチュエーションとしては自分たちが下側スポーンでAサイド(左側)をある程度プッシュできたとする(図1).記載していないがゲームモードは制圧戦でCAPは取れているものとする.ここからプッシュしきるというのは敵(赤色)の①②③を撃沈し②がいる島の高さまで上がるということである.できるかできないかで言えばできるだろう.しかし重要なのは達成するのにどれだけの時間がかかり,できた場合どれだけのアドバンテージが取れるかである.右側のCもCAPが取れており(または取れそう)隻数差も3隻以上ついていてあとはもう追い込み漁をするだけ,といったシチュエーションであればプッシュすべきだろう.チャネルしたところで向かった先のC側はすでに制圧されており撃つべき敵がいない.もしプッシュしきるのに時間を要するとしても,その時間でC側が不利にならないのであればA側の敵を殲滅する方がアドバンテージは大きい.

しかしそのようなシチュエーションになる頻度はそれほど高くない.基本的にA側がプッシュできるということはA側の人数が有利だからである.となると必然的にC側は人数不利となり敵がプッシュできる可能性が高い.A側の島裏に貼り付いている敵戦艦をちんたら沈めている間に敵はC,Bを制圧して自陣まで切り込んで来ているだろう.マップの左側3ライン分を完全制圧できた代償としてマップの半分以上のエリアを取られてる.エリアが取られているだけでHP有利をつけることができている場合でもない限りここからの勝ち筋はほぼないと言っていいだろう.

そもそもプッシュしきったときの利点は反対側を攻めきれていない敵の横を取れることである.攻め切られている場合はあまり効力を発揮しにくい.要は時間をかけてプッシュしてもプッシュした先に敵がいなければあまり意味がない.

図2

具体的にチャネルするとは図2のような動きを指す.実際一時的にエリアは取られているが右側の敵は浮いた位置にいるためフォーカスすれば素早く沈めることができる.しかしA側の敵からも狙われるので立ち位置に気をつけなければならないし,せっかく取ったエリアを手放すのはリスクがある.ただこのゲームはカイティング(引き撃ち)が非常に強力であり,複数の敵相手に島なしで追いかけながら撃つのは難しい.図2のようにクロスを取って有利なダメージトレードを行えるのがチャネルの利点である.そこからA側が難しければBとCにローテートすれば良い.A側の敵が引いていればA側のエリアを取れば良い.

簡単にチャネルが優位な理由をまとめると

  • 北方海域のAサイドはマップ構造的にプッシュしきるのが難しい
  • このゲームにおいてカイティングは強力である
  • チャネルすると味方とクロスを取れる可能性がある

もちろんプッシュせずにチャネルしたら勝率が跳ね上がる訳では無い.チャネルした隙にA側の残存勢力がリプッシュし,AをCAPされ返されたら状況は苦しくなる.ただ筆者が疑問に思うのはそんなシチュエーションならプッシュを選択したところで勝ち筋が見えるのかということだ.多分プッシュ/チャネルの選択で勝敗が分かれるような試合ではなくそれ以前の問題である(視界不足,隻数差,HP差,etc...).

 

プッシュしやすいマップ

今度は比較的プッシュしきるのが容易なマップを挙げる.できるならプッシュしにくいマップと比較して自分の中で一般化し他のマップでも自分で判断できるようになって欲しい.

二人の兄弟

図3

自分が下側A側(左)スポーンだった場合を考える.プッシュできるかどうかは隻数や駆逐艦の初動ファイトに大きく関係するので,ここではフロントラインを下がらせることができマップ上半分に進行することが可能であるとする.このマップのA側はD側(右)と異なりカイティングに役立つ射線を切れる島が深い位置にない.つまりカイティングしようとすれば誰かからは射線が通るし駆逐艦が隠蔽距離内にいれば非発見状態に戻ることも不可能になる.システム的な強さを差し引いても人数不利な状況においてカイティングを続けて状況がひっくり返る可能性は低い.

北方海域では深く押し込むことで敵からクロスを取られて不利なファイトを強いられることがあるがこのマップではそのようなことは起こりづらい.プッシュに対してクロスを取れるであろう位置であるD4付近は中央の巨大な島のせいで射線が限られている.またプッシュ側がある程度まとまってプッシュすると3,4ラインから接近戦を起こせるのでプッシュ側が有利だと言える.勿論D4,D5の敵に集中してA2,A3の敵から大ダメージを負うこともあるかもしれないが,そうなった場合は前に出るタイミングをミスしていることが多い.フォーカスする敵の順番を間違えなければそうなる機会は減る.そもそもF4,E4までプッシュされていてD4にいる艦艇が一歩も引かないことは少ない.D1から射線が通るので相当上手くない限り後退するしかない.
簡単にプッシュが優位な理由をまとめると

  • 中央の巨大な島に沿いながらプッシュできるので常に射線を限定的にできる
  • 深い位置に島がなく引き側は発見された状態でしかカイティングできない
  • 外周に細かくラインを上げられるような配置の島が並んでいる

決して本記事を読んで「二人の兄弟のA側だからプッシュしなきゃ」とはならないでほしい.プッシュサイドかどうかは試合が始まって時間が経たないと決定されない.加えてプッシュは味方とラインを合わせることが非常に重要でそれが合ってない場合簡単に崩壊する.筆者もミニマップを見るのを怠ってプッシュしているのが自分ともう一人だけになり崩壊しかけたことが幾度もある.

おわりに

もしあなたが実際にWoWSをプレイしているなら少しでもゲーム理解に役立てれば幸いである.このゲームは意外と複雑で考える余地が十分にあるので自分で考えて立ち回ることを重要視してほしい.脳死で毎試合強ポジとされている島に貼り付いたりするのはこのゲームの醍醐味からズレている.その時その状況で最適な立ち回りを自分の中でストックしておいて実際に試合で行うのが醍醐味であると筆者は信じている.

などと嘆いてもこのゲームのプレイヤーの99%はほとんど何も考えずに「船かっこいいなー」「景色が綺麗だなー」でプレイしているので意味はないのだが.このゲームは対戦ゲームではなくシミュレーションゲームやマッチングじゃんけんの類なので深いことを書いても役立たないのが悲しいのである.

駆逐艦の基礎

はじめに

筆者はWoWSをプレイする上で駆逐艦に乗る機会が多く筆者のプレイスタイルと相性は悪くないと感じている.今までいくつか駆逐艦の運用方法的な記事を書いたが,駆逐艦に乗る上での基礎が共通しているためそれぞれの艦艇で特筆すべきことしか書かないような記事になってしまった.「対面駆逐艦にダメージレースに勝ってスポットしてCAPしたら勝てるよ.簡単でしょ?」要約したらこう言っているに等しいのだがこれでは何も伝わらない.それができれば開幕即沈駆逐艦が蔓延っている現状がおかしい.

なので本記事では筆者が何を意識しているかや駆逐艦に乗る際の心構えなどを書こうと思う.一応初心者/中級者で項を分けて書くので好きな項を読んでいただければ(上級者に筆者から言えることは何もないので本記事を読む時間で自分のリプレイを見直すのが一番かと).

初心者向け

まずは隠蔽状態の重要性を理解してほしい.対面駆逐艦と同時に見つかった場合でもない限り自分から主砲を発砲して見つかりにいくべきではない.ならば煙幕を使用して敵を撃つのはどうか.駄目に決まっている.撃とうと思っているその相手は一体誰がスポットしているのだ.高確率であなた自身だ.煙幕に隠れた途端相手のスポットも切れて見えなくなるだろう.

そもそも駆逐艦で相手巡洋艦や戦艦を主砲で撃つシチュエーションは限られる(一部の駆逐艦を除く).見えている相手に好き放題主砲を撃ちたいのであれば駆逐艦は向いていない.一旦巡洋艦か戦艦に乗ろう.いつ撃っていいかの判断の話になると難しくなるので取り敢えず隠蔽状態に入って敵をスポットしてあげるのが強いと言っておく.当たり前だがこのゲームは敵が見えていない状態で敵に砲弾を当てることは(98%)できない.もし駆逐艦がスポットを放棄したらそのサイドにいる巡洋艦と戦艦は路頭に迷い下手をすれば一方的にHPを削られる虚無に見舞われる.そうなったら負けは確定と言ってもいいだろう.そうならないためにスポットはするべきである.スポットをして味方がダメージレースに負けていても関係ない.そこで砲戦に参加してはならない.駆逐艦の砲火力程度で覆ることなんて稀だ.自分が発見されることのリスクと全く割に合ってない.

長々書いたが兎に角隠蔽状態で敵巡洋艦・戦艦をスポット.これだけでいい(他にも言いたいことはあるが最低限これだけ).巡洋艦と戦艦の皆様にはいつも当たり前に享受している視界は誰によるものなのかを理解していただきたい.

中級者向け

中級者の人はスポットの重要性を理解しており,ある程度はいつ発砲して良いかの判断ができているとする.ここから更に向上したいのであれば事故をどれだけ減らせるかが重要だ.駆逐艦は生きていることが最重要事項であり如何に死なないかが上手さの一定の指標であると言える.駆逐艦の(というかこのゲームの)死ぬ原因の大半が予想外の会敵・被発見によるものだと思う.ここで重要なのが予想外ということだ.予想ができていれば会敵・被発見を避けることも可能である.

会敵の前に被発見についてだが予想外の被発見とは大抵レーダーによるものだろう.取り敢えずレーダーを使用できる艦艇を全て覚えればいい.とは言え全て覚えるのは面倒くさすぎるので筆者はModを導入することを推奨する.サイドパネル系のModならどの艦艇が何kmのレーダーを持っているかが一目瞭然だ.一応バニラでもTabを開いてカーソルを合わせれば分かるが手間がかかるのでModに頼るのが一番速いし楽だ.

次に会敵についてだが端的に言うと想像力不足である.詳しく説明すると敵艦艇(主に駆逐艦)の位置や動きの予想が立てられていなかったせいで島を抜けた先でばったり,といった具合だ.この「敵艦艇の動きの予想」が駆逐艦に乗る上で一番重要であり困難なところだ.これの精度が高いと魚雷の命中率も上がり予想外の会敵で沈むことも減る.これについては次の項でもう少し詳しく記述する.

動きの予想

前項で敵鑑定の動きの予想について触れたが,これこそがこのゲームの本質であると言っても過言ではない.今見えていない敵を現状取得できる情報と自分の想像力で位置を予想する,他のゲームを触ったことがあるならば当たり前に感じるかもしれないがこのゲームにおいてこれの重要性は他のゲームの比ではない.LoLをやったことがあるならば視界の重要性は理解できるだろう.WoWSはハンドスキルをほとんど必要としないので敵の位置を予想し,その位置に対して強いポジションを取るだけで自分の影響力は跳ね上がる.巡洋艦・戦艦でも同じことが言えるが本記事では駆逐艦について記述する.

初動

予想が一番容易なのは初動だ.試合開始直後にマップ中央に敵艦艇がいることなんてあり得ない.線対称にスポーンする確率が高く,航行速度に大きな違いが無ければ軸と等距離にいるだろう.ただし対面駆逐艦が何なのかが分かっていない状態で会敵するのはリスクがある.自艦がマッチした駆逐艦中最高DPMを誇るなら多少積極的に会敵しても良いがそうじゃなければ少し待った方がいい.空母がいるならば適当な位置にピンを刺してスポットを促すと良いだろう.また別サイドで敵駆逐艦が発見されたなら消去法で対面駆逐艦を絞る.そこまでしてようやく会敵するかどうか判断する.

中盤

ある程度時間が経って敵(特に駆逐艦)の位置が不明の場合,位置の予測は艦長スキルの無線方向探知を頼りにすることが多い(取得していれば).あとはCAPが踏まれていたり,味方艦艇が発見されているという情報からざっくりした距離感を把握する.また敵駆逐艦が無線方向探知を取得している場合探知されている側には通知が行くので逆にその情報から敵駆逐艦の位置を予測することが可能だ.

終盤

全く予測しないわけではないがほとんどの場合試合は決まっているようなものなので予測の優先順位は低い.

 

予測と似ている部分であるが最悪のケースを想定するのが重要だ.ある程度敵艦の位置を予想したは良いが「この予想位置から前に突っ込まれたら嫌だけど,まあそんなことにはならんやろ.」みたいな確証バイアスで動くと結局事故率は減らない.このゲームは1度沈められるとその試合ではもうリスポーンできない.つまり沈んだ場合のディスアドバンテージが非常に大きいと考えられるので,事故死の確率を減らさないとコンスタントに影響力を出せないということだ.完全に事故死を0にはできないし,リスクを取らざるを得ないシチュエーションもあるので100%安全プレイが正解とは言えないが初心者~中級者は極力リスクを取らなくていい.「生きてるだけで偉い!」ということである.

おわりに

ここまでの記述したことを完璧とは言わないまでも出来るようになれば駆逐艦に乗っていて味方の足を引っ張ることはかなり減るだろう.しかしここがスタートラインだと言っても良い程駆逐艦の動きの完成形は遠い.これ以上高みを目指そうとするなら本職の駆逐乗りに罵声を浴びせられながら上達するしかない.しかも高みに辿り着いてもダメージが足りないせいで負ける試合が定期的に訪れるので虚無.味方に迷惑をかけずに且つストレスを感じずに楽しく乗れるくらいが丁度良い.

書こうと思えば他にも細かいことは書ける.駆逐艦における強ポジや会敵の仕方による有利の取り方やプッシュ/チャネルの判断etc...そういったことを全部記事にしようと思うと途方もない時間がかかるので書くかは不明.というか筆者は誰かに伝えるためではなく思考を文字として残したいから記事を書いてるので気が向いたら書くかもしれない.

Tier9 日本駆逐艦 北風

はじめに

筆者はこのゲームの育成要素を主に楽しんでいるためエンドコンテンツ?のTier10をあまりプレイしない.必然的にTier9の戦闘数が一番多いことになる.そこでTier9で普段使いしている本艦の記事を書こうと思った次第である.参考までに戦績を貼っておくが基本的に分艦隊でプレイしているためキャリーされているだけなのである.

筆者の戦績

運用方法

後述するが筆者は本艦において無線方向探知を取得していない.なので初動の魚雷事故を減らすことを心がける.本艦のHE DPMは同格駆逐艦の中では実質2位(1位の艦艇は名前違いの同一艦)なので真正面からの撃ち合いができればほとんどこちらが優位に立てる.ただし気をつけなければならないのは本艦の最良隠蔽は6.1kmと悪くはないのだが,同格最上位隠蔽の艦艇を相手にすると流石に捕まえられない(例:夕雲,Jägerなど).

本艦はかなり主砲に主眼を置いたバランス型の駆逐艦という認識で間違いない.魚雷は装填時間がかなり長いため流すタイミングが限られる.なので主に戦艦や大型巡洋艦など当てやすい艦艇に向かって流すことを推奨するが本艦の扱いに慣れたプレイヤーなら勘で駆逐艦に流すのも良いだろう.

気をつけたいのは本艦は消耗品ソナーを使用できないため魚雷事故には本当に注意すべきである.筆者が本艦に乗っていて序盤に撃沈される理由の1位が魚雷事故だ.どうしても避けられない事故はあるがそれでも極力減らす努力はした方がいい.

ビルド

ビルド

ビルドはこんな感じ.無線方向探知を取得する代わりにIFHEを取得している.IFHEの代償として火災発生率が半減されるが本艦の素の火災発生率は5%と低いため他の艦艇と比べてまだ取得する価値があると判断した.昨今の環境ではIFHEの地位が低く貫通力を上げるくらいなら火災で焼き尽くす方が強いとされている.なので別にIFHEを取る必要性は正直あまりない.戦艦の艦首と艦尾をちゃんと狙って当てられるならば取る意味は増すだろう.

他に注目するとすれば管理を取得している点だ.本艦に乗っていて煙幕が3つで足りる試合もあるが足りない試合もある.足りなくなったときの試合後半の虚無感と言ったらないので取得している.あとは最初から4つあると煙幕を渋って大ダメージを負う機会が減る.空母のしょうもないスポットが良い例である.空母の艦載機スポットで3つしかない煙幕のうちの1つを使わなければならないのはかなり気が引ける.そのせいで後衛からダメージを貰うのは勿体なさすぎる.艦載機の位置を常に把握していて想定外のスポットが発生しにくいプレイヤーならば取得しなくても良いだろう.

評価

強い.ツリー艦艇であれば最上位に位置すると言ってもいい.ただ良くも悪くも尖ってないので乗る人によっては楽しくないかもしれない.楽しさを求めてスポットを無視して煙幕に籠もってトリガーハッピーすると途端に勝てなくなる.本艦に乗る前に駆逐艦の基礎が固まっていると本艦が強いと認識できるだろう.

おわりに

結局駆逐艦を乗るときに意識すべきことは大体共通しているので,運用方法が大きく変わることはない.つまり書くべきことがあまりない.いつか駆逐艦に乗る際の立ち回りや意識を記事にするつもりである.ただ文字や画像で書かれてもほとんど伝わらないと思う.欲を言うと画面共有してみっちり教えた方が良いがこのゲームにそんなやる気のあるプレイヤーがいないのである.

クソゲーはなぜクソゲーなのか

はじめに

World of Warshipsというゲーム(以下WoWS)についての記事をいくつか書いてきたがこのゲームはまごうことなきクソゲーである.今までもこれからもこういうスタンスであることは変わらないのでこのゲームが好きな人は二度と記事を読まない方がいい.

筆者以外にもクソゲーだと言う人は多いがほとんどは感情論でありただ不快な倒され方をしたとか根拠の薄い限定的な事象を持ち出してクソゲー認定する人である.そこでなぜこのゲームがクソゲーたるかをできる限り論理的にスポーツに例えて説明してみる.

なお本記事では潜水艦や空母といったゲームのコンセプト自体を破壊する艦種については言及しない.両艦種がなぜクソなのかを説明することも可能だが,他のゲームの理論を持ち出すことになり理解が難しくなるので.加えてWargamingが悔い改めない限りここで騒いでも何も変わらないので.

ルール

ゲームならば必ずルールは存在する.じゃんけんにすらグー・ちょき・パー以外の手を出してはならないというルールがある.そういった明示されているルール以外にも長い間プレイされ続けたことで暗黙化したルールもある.例えばチェスでは最初の一手は9割型決まっている.初手に指していい手は20通りあるのに.所謂定石というやつだ.野球でも守備のポジションは現在の形でなければならないというルールはないが極端に前に配置するポジションを一時的ではなく常時行う球団はないだろう.WoWSにもこういった暗黙のルールがもちろん存在するが,守らないプレイヤーが少なくない.

1. サイドチェンジ

試合開始直後に逆サイドに向かうことは良くない.自分がスポーンしたサイドで全力を出すべきである.移動が遅いこのゲームにおいて逆サイドに行く時間が無駄だし左右の人数が極端になると負ける確率がグンと上がる.

2. 駆逐艦でCAP・スポット放棄

駆逐艦でCAPを踏まなければならないというルールはないし,島裏から主砲を撃ってもルール上問題ない.だがそんなことはチームの勝率を著しく下げるトロールと同じだ.駆逐艦駆逐艦の役割があり,それができていれば与ダメージが0でも貢献していると言える.それが面白くないというなら素直に巡洋艦か戦艦にでも乗ればいい.自分もボールを蹴りたいからという理由だけでゴールから離れるゴールキーパーがどこにいるのだろうか.

3. 二人の兄弟で試合開始直後に中央突破

マップ的に行けてしまうし上手いプレイヤーが行って活躍しているから自分も!という気持ちは理解できる.数千時間このゲームをプレイし,考えた上で中央突破するのとなんのプランも経験もなくただ突っ込むのは絶対に違う.「初心者お断り」みたいな看板を立てるべきだ.初心者は視野角が5度くらいしかないので目に入らないだろうが.

 

(仏の心で3つに減らしたが本来はもっとNG行動はある)

これらのルールを守らない現在のWoWSはどうだろうか.サッカーに例えるならば,オフサイドペナルティエリアも理解せずただボールのある方向へ群がっているだけ.幼稚園児の玉転がしと同じである.スポーツと呼べるほどの競技性はない.

こういったルールが明示されておらず,ある程度経験したプレイヤーの間でのみ共有されているので新しく始めたプレイヤーは知る由もない.加えてこのゲームの運営やプレイヤーは暗黙のルールを知らなくてもいいし守らなくてもいいというスタンスを取ることが多い.ただでさえ少ないプレイヤー数を減らしたくないのか本人が楽しければ玉転がしでもいいと思っている能天気なのかは知らないが,その親切だと思ってやっていることが他のプレイヤーの不親切になっていると自覚してほしい.

マッチングシステム

前の項目でルールについて説明したが,このゲームが多少極端なだけで他のゲームでも似た部分はある.どのゲームでも右も左も分からない初心者の頃は既存のプレイヤーに負けながらルールや定石を知って上手くなっていくものだ.だがWoWSが他のゲームと決定的に異なるのはマッチングシステムだ.このゲームにはスキルマッチという概念がほとんどない(噂では低Tierでは総合戦闘数によってマッチが区別されるらしいがあくまで噂である).つまり始めたばかりの初心者とプレイ時間10000時間のプレイヤーが同じ試合にマッチする.このシステムがクソゲーたる一番の理由と言っても過言ではない.

サッカーで例えるならば,11人の即席チームでサッカーをしてくださいと言われ,蓋を開けてみれば自分以外ルールも知らない幼稚園児ばかり.サッカーをする方が難しい.サッカーをしたいプレイヤーと玉転がしをしたい初心者が一緒になって試合をしても双方楽しくない(初心者はまずサッカーと玉転がしの違いすら認識できないので楽しめるかもしれないが…).他のゲームでは初心者やカジュアルプレイヤーとの棲み分けとしてランクマッチといった別モードを設けることで解消しているが残念ながらこのゲームにはない(ランク戦というモードはあるが,他のゲームのランクとは大きく異なる).

このようなマッチングシステムのせいもあって,プレイヤー全体のレベルがいつまでも上がらない.上級者同士のレベルの高い試合が極端に少ないのである程度以上の実力に達する機会が殆どない.普通なら8年もゲームが続いていれば立ち回りの定石が生まれ,動きが洗練されるだろうがそんなことはない.正式リリース初年度とプレイヤーの質や動きはなにも変わっていない(なんなら下がっている).

スキルマッチを採用できない理由は単純だ.プレイ人口が少ない.あと開発の能力不足だ.このゲームはTierという独自の要素を採用しているため実質的なマッチング人数が少なくなっている.マッチング待機数が200人いたとしても全員同じTierの艦艇を選択しているわけではないので1試合に必要な24人を集めるのが難しくなる.これに加えて勝率や戦闘数でマッチングを分けようとすれば1試合あたりのマッチング時間が激増する.というか上位層は試合をすること自体難しい.

結論

人がいない.運営の能力不足.終わり.

このゲームにも良いところはあるが運営が全て台無しにしているし,今ある良いところもこれから台無しにする.このゲームをゲームだと思ってやると肩透かしを食うので期待しない方がいい.玉転がしを楽しめるなら周りの人に不愉快を撒き散らしながらこのゲームをプレイすればいいと思うよ.運営もプレイヤーの多くも何も咎めない.

おわりに

長々と書いたがこの記事を読んでWoWSにイライラする機会が減らば幸いである.幼稚園児の玉転がしに付き合ってあげるお父さんの気持ちになれば勝敗は気にならない.逆に玉転がしの勝率でイキり散らかす人は異常者なのでそっとしておこう.「勝率35%だけど勝率気にしない」という人は無自覚に人を傷つけ不快にさせるナチュラトロールだ.こういうのには触れずにそっと通報するだけにしよう.

Tier8 日本駆逐艦 朝潮

はじめに

筆者はバランスが取れていてどちらかというと砲駆寄りの駆逐艦が好みだが,その日の気分で違う方向性の船に乗ることも多々ある.というわけで純雷駆と言っても差し支えない本艦を紹介する.しかし筆者は本艦にそこまで乗り込んでないのであまり偉そうなことは言えないので参考程度に.一応戦績も貼っておくが分母が少ないので上ブレである.

筆者の戦績

運用方法

本艦の強さは何と言っても最良5.4kmの隠蔽性である.この数値より良い隠蔽の艦艇はマッチするTier帯にはいない(極低Tierを除けばゲーム内最良のはず).つまりこちらが相手より先に発見されるという事象は(航空発見除く)起こり得ない.積極的に対面駆逐艦を発見しよう.たとえHPが削れなくても位置を割ることで得るアドバンテージは大きい.相手駆逐艦目線だと

発見される→相手の駆逐艦朝潮)は発見できない→後衛から撃たれる→下がるしかない

ということになりラインを上げることは難しい.本艦は黙ってスポットだけしていればそれでいいかと言われればそうではない.そこが本艦の難しいところだ.本艦の主砲火力はカスだが,それは主砲を撃たなくていい理由にはならない.有利な体勢だと判断すればダメージトレードをする.ただしロングトレードはせずせいぜい3斉射くらいで再び隠蔽状態に入る.この動きと強力な魚雷で敵のラインを下げ,サイドをプッシュしきる.その後はチャネルするなり逆サイドにシフトしつつ魚雷を垂れ流せばいい.相手目線これほどウザい駆逐艦はいない.ウザさの方向性は潜水艦に近く,発見されずに魚雷を流すだけで相手の形が悪くなる.

本艦のダメージソースである魚雷は当たりそうな敵に丁寧に狙う.魚雷や主砲のようなミクロは回数をこなして学習しろとしか言えない.撃つたびに着弾を確認して反省する.そうしていればそのうち相手の動きがある程度予測できるようになる.

ビルド

ビルド

ビルドはこんな感じ.ポイントは6️⃣の素早く静かにを取得している点だ.本艦の素の最高速度は35.0ノットであり鈍足と言ってもいいだろう.こんな速度じゃあ相手駆逐艦が本気で追いかけてきたら追いつかれてしまう.加えて本艦は立ち位置を素早く変えてどこにいるか分からなくするのが強いので速度は高ければ高いほどいい.主砲装填時間のペナルティがあるが前述の通り本艦の主砲火力はカスなのでペナルティがあってもなくても変わらん.

素早く静かにを外して3ポイントの管理を取得する人もいるらしい.全然ありだと思う.筆者は鈍足がストレスで発狂しそうになるのでなにがなんでも素早く静かにを取る.

評価

実装直前・直後はぶっ壊れだとか言われていたが今はそうでもないらしい.結局駆逐艦は空母にスポットされて虚無になるので.まあそれを差し引いても本艦は強い部類に入ると思う.ダメージが完全に魚雷に依存しているので上下のブレが激しいがそれでも8万くらいは稼げてる.個人的に好みには刺さってないが魚雷が当たると楽しいし,なんだかんだ勝てるといった印象.

おわりに

戦闘数が少ないのにドヤ顔で記事を書くのは流石に気が引ける.しかし筆者は多くの艦艇に乗りたい人なのでご了承願いたく.戦績も別にマウント取りたいわけではなく参考程度に.筆者はスタッツバトル不参加不戦敗でいいですめんどくさいんで.

ちなみに空母の航空機による発見が見直されると本艦の強さは跳ね上がる.レーダーなしでは誰も発見できなくなるので.まあ空母スポットが改善されるとかそんなことが起こるんですかねぇ…(遠い目)

Tier8 イギリス駆逐艦 Cossack(コサック)

はじめに

当ブログでは珍しく純粋に強い艦艇を紹介する.正直こいつは強すぎる.どれだけ強いかは筆者の戦績を見れば一目瞭然.完全に上ブレです本当にありがとうございました.

筆者の戦績

運用方法

強さの方向性としてはT10のDaringに近い.当ブログのVampire IIの記事と共通してる部分も多いのでそちらも合わせて読んでいただければ.本艦の強みは同格5位のHE DPM,最良隠蔽5.5km,ショートバースト煙幕と駆逐艦に必要な要素が必要なだけ詰まっていることである.回復班があれば完全にOPである.いや回復班がなくても十分OP.

少し脱線したが運用方法は至ってシンプル.対面駆逐艦を良隠蔽を活かして

先に見る→味方と協力してダメトレ(撃沈までもって行ければ100点)→スポット&CAP

これが出来れば大体勝てる.本艦に隠蔽で勝てるのは同格だと陽炎型だけであり陽炎型の主砲DPMお察しなのでもし先に見つかってもよほど下手じゃない限り痛手は貰わない.

筆者は朝潮と分艦隊を組む機会が多かったが意外と相性は悪くなかった.朝潮の弱点である対面駆逐艦の処理を本艦が肩代わりし,本艦では出しにくい戦艦へのダメージを朝潮に出してもらうといった感じだ.1つのサイドに駆逐艦を2隻配置するのは序盤のディスアドバンテージになりかねないが,初動ファイト後の動きでスプリットするなりすればディスアドを取り返せる.なんだったら初動からスプリットしてもいい.

ビルド

ビルド

ビルドはこんな感じ.回復班を持っていないので3ポイントの管理を取る価値が少なく,代わりに基本射撃を取得してDPMを底上げする.8️⃣の1ポイントスキルはどれでもいい.好きなのを取ればいい.無線方向探知を取らないことが比較的多い筆者であるが本艦では取得している.本艦ではひたすら安定感を重視し魚雷事故といった下ブレを減らすのが重要.素の性能が高いので艦長スキルで尖らせる必要はない.

評価

Tier8駆逐艦の中では最強格,好みにもよるが最強と言っても差し支えない.本艦に乗ってて対面処理が辛いなーと思うのはKiddくらいか.辛いというか回復班で後半まで息切れしないのがダルい.地味に隠蔽も良いし.逆にそれくらいしかいないのは強すぎないか.本艦に乗って勝てない人は相当運がない.それかトリガーハッピーしてるか.

おわりに

やはりただただ強いだけの駆逐艦を説明するのは面白くない.まず説明すべきことがない(戦績を自慢したかっただけ…).筆者は本艦のような全体的に高レベルでまとまった優等生キャラと立ち回りの相性が良いので好きで乗っているが,全ての人類と相性が良いかは知らないので好きな船に乗ればいいと思うよ.このゲーム,本人が楽しければトロールしてもOK!な親切設計なので.筆者はそうは思ってないです.ナチュラトロールに付き合わされる11人の気持ちも考えてほしい.以上お気持ち表明でした.

Tier10 イギリス連邦駆逐艦 Vampire II(ヴァンパイア(2代))

はじめに

Tier10最強格のDaringの姉妹艦で主砲の装填が短くなってるにも関わらずあんまり見かけない…まあ回復班あると多少のミスをしても許されるから強いのは分かる.あとPerth煙幕って使い方難しいよね.というわけでDaringの差別化という意味でもどんな使い方をしたらいいかを説明してみる.

運用方法

本艦の強みはまず同格駆逐艦3位のHE DPM(AP DPMは5位),ちなみに1位はMarceau,2位はSmåland.それ以外の駆逐艦に対して強気で当たることができ,序盤のCAP合戦で積極的に勝負を仕掛けられるのはかなり強い.ただ本艦は前述の通り回復班を持ち合わせていない.つまりDPMで勝っていてもショートトレードを繰り返すと負ける.なのでできるだけバーストダメージを出すか自分のHP管理を徹底するのが大事.じゃないと対面駆逐艦を落としたのはいいけど後半瀕死で何もできない,ということが起きる.このゲーム,対面駆逐艦を落としても逆サイドの味方が一瞬で溶けるので…もちろん序盤のファイトで0:1交換できたらものすごいアドバンテージなんだけどそれだけで勝てる訳ではないので.大事なのは20分の試合を通して満遍なく影響力を出すことなので,マラソンと同じくペース配分を意識した方がいい.

正直本艦の運用方法で特別なところはない.駆逐艦の役目であるCAPとスポットを行うために必要なツールが揃っているので粛々と行うだけ.ただ煙幕の数が3つと少ないので何も考えず煙幕撃ちをしているといざ必要な時に煙幕が使えなくショボ沈ということになりかねない.難しいのはそれくらい.

Daringと違い回復班はないがエンジンブーストがあるためDaringよりリポジショニングしやすい.ソナーも5.0kmとそれなりに長いのでポジションによっては相手の駆逐艦を一方的に殴れる.ただ消耗品がないときはただの駆逐艦なのでCTの間は多少セーフティな動きを意識するといい.

ビルド

ビルド

ビルドはこんな感じ.異論は認める.正直かなり異端だと思ってる.

まず筆者は無線方向探知を取っていない.主砲が強いのでむしろ不意のエンカウントを起こしてバーストダメージを入れて退避,っていうのに無線の必要性は低いしワンチャン警戒される.あと筆者は相手の位置が不確定の状態ではアグレッシブに動かない人なので.

7️⃣と9️⃣の説明を.7️⃣はAP DPMの底上げ.甘えた角度の駆逐艦にAPを叩き込む際に少しでもダメージを上乗せしたいので.あとは少しでも相手駆逐艦を速く沈められればその分自分のHPを温存できるので.本艦のAPは跳弾優遇があるので,他のAPが強い駆逐艦より取る価値はある.9️⃣は12.10のアップデートで仕様が変わり,修理班と回復班以外の消耗品のCT短縮になったので.本艦の消耗品であるエンジンブースト,ソナー,煙幕はどれも強力であるがCTが長いので少しでも短くするためにこのスキルを取得している.

艦長スキル刷新前は3ポイントの基本射撃(昔の名前)を取得していたが消耗品の強みを伸ばした方が良いと思い,前述のビルドにした.正直誤差ではある.

本艦のビルドは比較的幅があり無線を取ったり管理を取らなかったりするので自分の好みで取るのが一番良い.ただし魚雷特化はおすすめしない.

評価

本体の性能が高い上に消耗品が優秀なので大概なんでもできる.ただツリー艦艇で似たような艦のDaringがいるので,そっちで良くね?感は多少ある.実際回復班あるのは強い.筆者はDaringに無線方向探知を積んで安全ムーブ,本艦はダメージ寄りのビルドでキルムーブといった感じで差別化している.楽しいのはどっちと言われれば筆者は本艦と答える.眼の前で煙幕を焚く何も知らない駆逐艦をフルHPから沈めるのは本当に楽しい.HP管理やヘイト分散ができるようになれば本艦が強いと感じるだろう.

おわりに

本艦のようなバランスが取れている優等生タイプの駆逐艦は特筆すべきことがないので困る.対面駆逐艦に有利を取って,CAPして,スポットして,CAPして,ダメージ出して,勝ってとしか言えない.それが難しいのだが.WoWSは上手くいったリプレイだけコンテンツにして地味な試合はボツになるので,立ち回りの指南的な動画が少なすぎる.海外CCの動画は参考になるので漁るのをおすすめ.